島根県松江市にある印鑑製造業者「永江印祥堂」が、新一万円札の肖像に使われている渋沢栄一を縦2mm、横3mmの極小ハンコで再現。その素晴らしい職人芸が話題です 。
新一万円札の肖像としても有名な渋沢栄一を、極小サイズで再現したハンコが注目を集めています 。
新一万円札の渋沢栄一を彫ったのにあまり注目されず悲しみこれ2ミリとかなんです職人のすご技をご紹介してるんですpic.twitter.com/hKhTfgESV7
話題になっているのは、印鑑製造業者「永江印祥堂」(島根県松江市)が7月4日にX(旧Twitter)に投稿した一連の写真 。
永江印祥堂によると「縦2mm、横3mm」のサイズで、(自称)世界でもっとも小さい渋沢栄一。今まで彫刻したハンコのなかでも、文字以外のものでは一番小さなサイズのハンコだそうです 。
ところが、このハンコ。なぜか、投稿された当初はまったく注目されていませんでした。いったい、どうして …… ?
当初は、スゴさがまったく伝わっていなかった極小ハンコ
最初の投稿は7月3日、「渋沢栄一彫れた」のコメントとともに、永江印祥堂が投稿した1円玉との比較画像が始まりです 。
しかし、この時点ではピンとこなかった人が多かったのか、あまり「いいね」が集まっていません 。
渋沢栄一彫れたpic.twitter.com/sOA2hcwyDZ
その後、永江印祥堂は「新一万円札の渋沢栄一を彫ったのにあまり注目されず悲しみ」と7月4日の朝7時51分に再投稿 。
「 これ2ミリとかなんです」とサイズまで書いているのですが、まだまだ「職人のすご技」は伝わっていませんでした 。
その1時間後、永江印祥堂が比較として「50円玉の中に収まる渋沢栄一」の画像を投稿したところ、一躍話題に !
孔径約4mmの50円玉の穴へ、すっぽりと奇麗に収まっている渋沢栄一。その比較画像が、わかりやすかったのでしょうか。ミリ単位でハンコを彫る職人芸が、ついにXのユーザーへ伝わりました 。
その結果、8日現在で約7万件の「いいね」が集まっています 。
小さすぎて分かりづらいのかなこんな感じですhttps://t.co/id0x2Ty27ppic.twitter.com/FEjmOrl5j3
50円玉の穴に収まりつつも、渋沢栄一だとハッキリわかるハンコにSNSでは 、
💬 「 日本の職人さんの技って本当素晴らしいよね 」
💬 「 これはすごい … ! もっと大きいと思ってた ! 」
💬 「 いい大きさの比較 ! 」
💬 「 見せ方でインパクトってこんなに変わるんだな …… ! と参考になるポストだ 」
💬 「 こりゃちいさい ! やはり比べるものがはっきりしているとイメージしやすいねえ 」
など、比較されたことで初めて理解できた人たちの声や、あらためて職人芸の素晴らしさを称える反応が寄せられています 。
BuzzFeed編集部は永江印祥堂さんにお話を聞きました!
――極小の渋沢栄一を彫刻した技術のスゴさに感動しました。いったいどうやって、彫っているのでしょうか 。
「 編集用のパソコン、彫刻機など機械を使用しておりますが、もちろんそれだけではこのような細かいものは彫刻できません。完成には長年の経験で培った確かな技術力が最重要となっています 」
「 パソコンでは入力するだけでなく、仕上がりをイメージし、線の太さ・形を微調整しています。彫刻の際にはどのような針を使うか、どれくらいの深さや速度で彫刻するか、どのような彫り方をするかなど、今までの経験が必要となっております。仕上げは最終チェックで大事な部分なので人の手で確認しています。これら全てが揃って職人の技術であり、細かい人物画も彫刻することが出来るのです 」
――今回のような職人芸のハンコは、何人くらいの職人さんで手掛けられているのか教えてください 。
「 弊社では一般的な印鑑を製作する際にも、工程に応じて3名以上の職人の手を掛けています。こちらの渋沢栄一のハンコに関しても同じです 」
「 ちなみに、一般的なハンコは平均50分ほどで彫刻できますが、渋沢栄一のハンコはおよそ300分かかりました。(渋沢栄一のイラストデータに関しては弊社が作製したのではなく、埼玉県深谷市の提供している画像を許可を得て使用させていただきました ) 」
――過去にも円周率の印鑑や寿限無さん専用印鑑などの変わった印鑑を作られていますが、こうした印鑑の反応はいかがでしょうか 。
「 いずれも弊社の職人の技のアピールになれば、と彫刻したものですが、売って欲しいというフォロワーさんのご依頼にお応えし販売したところ、今ではそれぞれ100本ずつはお買い上げいただいており、とても好評です 」
「 円周率も寿限無もそれぞれコレクションや芸術品としての価値を見出してお買い求めになるお客様もいらして、とてもうれしく感じると共に、弊社が誇る職人の技術を皆様に認めていただき光栄に思っています 」
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渋沢栄一のハンコは現時点だと非売品ですが、永江印祥堂のオンラインショップでは、過去にSNSで話題になった「あの印鑑」や「限界突破印鑑」などが販売されています。もしかしたら、渋沢栄一ハンコも欲しい人が多ければ販売されるかもしれませんね 。
永江印祥堂では、ほかにも「一般的な実印」から「おしゃれハンコ」まで、さまざまな印鑑が販売されています。今回の投稿を見て気になった方は見に行ってみてはいかがでしょう ?