沖縄・宮古島のとある酒造所。ここには「泡盛専用の洞窟」が存在します。購入者の想いとともに熟成させる数千本の泡盛を実際に見に行ってみました 。

沖縄・宮古島のとある酒造所。ここには「泡盛専用の洞窟」が存在します 。

購入者の想いとともに熟成させる数千本の泡盛を実際に見に行ってみました 。

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沖縄・宮古島のとある酒造所。ここには「泡盛専用の洞窟」が存在します。購入者の想いとともに熟成させる数千本の泡盛を実際に見に行ってみました。

取材したのは、沖縄県にある那覇空港からさらに飛行機で1時間弱、青い海が広がる宮古島の酒造所「多良川」です 。

こちらの酒造所では、「あなただけの秘蔵酒を育てませんか?」と銘打ち、購入した泡盛を“洞窟”で保管することができます 。

泡盛は熟成することで刺激的な香味がなくなっていき風味が増すお酒だと言われています。3年以上寝かせた泡盛は“古酒”(クースー)と呼ばれ、沖縄では長年親しまれてきました 。

複数の陶器製の酒瓶が並んで配置され、ラベルには日本語の文字が書かれています。

「 多良川」では誰でも購入した泡盛で古酒を作ることができる洞窟があり、熟成途中の泡盛の様子を無料で見学することが可能(要予約)とのこと。筆者はさっそく宮古島を訪れ、実際に洞窟を見学してきました 。

神聖な森の中の洞窟、眠るのは泡盛と人々の想い

現地で受付を済ませると、200メートルほど先にある洞窟に案内してもらえました。道中では、宮古島のお話や、周辺で鳴いている鳥(なんとクジャクだそうです)についてなど、豊かな自然についても教えてもらえました 。

周辺はどこを切り取っても広大な自然が広がっていますが、洞窟がある森ではいっそう異世界のような景色が広がっており、洞窟へ続く扉などもそれを際立たせていました 。

この洞窟こそが、数千本の泡盛が眠る「ういぴゃーうぷうす蔵」です。“ういぴゃー”というのがこの地の名称で、“うぷうす”とは「大きな岩」という意味なんだとか 。

広大な畑が広がる宮古島南部 BuzzFeed JAPAN / のす

係りの方に先導されながら、石が切り取られた階段を恐る恐る降りていくと、ゆだるような暑さの外とは打って変わって、ひんやりとした空気を感じることができます 。

実は、この温度・湿度が一定に保たれた環境こそ、古酒作りに適した環境なんだとか。ただオシャレだから洞窟にしまっているわけではないんですね 。

30段ほどの階段を下りるとそこには …… 。

森の中にある小道。陽光が木々の間から差し込み、静かな雰囲気を醸し出しています。

一本一本にメッセージがつけられた数千本のボトル

洞窟の中には、棚にぎっしりと敷き詰められたとてつもない数の泡盛のボトルやツボが貯蔵されており、それらが所狭しと並んだ光景は圧巻です 。

ボトルの一本一本には、手書きのメッセージが書かれています 。

15歳の息子さんとともに来店した親子が書いた「5年後、20歳になったら一緒に飲もう」というメッセージ、10年後に還暦を迎える父親に「還暦祝い」として10年間の貯蔵を依頼したボトルなどなど …… 。

女性が森の中の木製の扉を調べている。

5年後、10年後というまだ先の未来を想像しながら預けたであろう泡盛たち。ここにある一つ一つのボトルに人々の人生があるという荘厳さには、まるでタイムカプセルのようなロマンを感じました 。

現在も貯蔵を依頼可能

「 多良川」では現在も現地やメールフォームから貯蔵を依頼することができ、値段は泡盛代と貯蔵後の送料込みで1万500円(一升瓶・5年貯蔵)から古酒作りを体験することができるとのことです。自分ならどんなメッセージを書くか、考えてしまいますね 。

また、見学の後は泡盛だけでなく、酒造所で作っているラム・ウォッカなどのさまざまなお酒を試飲することができ、とても楽しい時間を過ごすことができました。もちろん、お土産にお酒を購入することもできます 。

ここにしかないステキな景色と、ゆったりと熟成された人々の想いを感じることができる場所でした 。

地下のトンネルの入り口。木の扉が開いており中が見える。日光が入りこむ。

取材協力:多良川

※見学希望の際は、公式サイトからメールフォームにて問い合わせが必要です 。

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