山口県下関市の「海響館」がマンボウの貴重な捕食シーンの撮影に成功。「海とくらしの史料館」特任マンボウ研究員の澤井悦郎博士は「やっぱりクラゲ類を丸ごと一気に吸い込むこともするのか!」と衝撃を受けています 。
マンボウがクラゲを一瞬で呑み込む貴重な映像が、山口県下関市の水族館によって撮影されました。マンボウ研究者からは「決定的瞬間」「非常に素晴らしく良い動画」と驚きの声が出ています 。
水族館の水槽を気持ち良さそうに泳ぐクラゲ
その横に巨大な白い物体が出現!
マンボウです! 口を開けながらクラゲに接近しています
パクッ! クラゲはマンボウの口の中に一瞬で吸引
あ〜おいしかった!
撮影したのは下関市の「海響館」。思ったより「いいね」がつかなかった動画のリベンジでした
今回の映像を撮影したのは、山口県下関市にある市立しものせき水族館「海響館」です。同館で飼育しているマンボウがクラゲをぱくっと丸呑みする様子を5月4日に撮影。同月27日にX(旧Twitter)に投稿したところ、30日までに約2万4000件もの「いいね」を集めました。 💬 「クラゲは飲み物ですか、そうですか」 💬 「あの口でどうやって物食べてるんだろうと思ったけど、実際にこうして映像で見るとわかりやすいなあ … 」SNSではこんな風に続々と反響が出ています 。
少し前のスタッフの視点でマンボウがクラゲを食べる瞬間を投稿しましたが、水面からの動画だったため分かりにくかったのか思ったよりいいね付かず。上司からも「水中の動画にしやんと~」とお言葉が … 悔しいのでリベンジしました!前回より分かりやすく撮影できたのでたくさんの人に見てもらいたいな!pic.twitter.com/6ufNDjnnOS
海響館によると、このマンボウは先代が2月に死亡した後、3月に高知県で捕獲されて海響館にやってきたばかりの個体。特に名前はついていないそうです 。
山口県下関市の「海響館」がマンボウの貴重な捕食シーンの撮影に成功。「海とくらしの史料館」特任マンボウ研究員の澤井悦郎博士は「やっぱりクラゲ類を丸ごと一気に吸い込むこともするのか!」と衝撃を受けています。
🐡 🐡 🐡 マンボウがやってきました 🐡 🐡 🐡 高知県から先日マンボウがやってきました。はじめは水槽の壁面に突っ込み気味でしたが、水槽壁面の認識もだいぶよくなってきました!水槽前に立つと様子を伺うようにこちらにやってきました!たまたま??pic.twitter.com/88f84h3s9R
マンボウは自然界ではクラゲなどを主に食べていると言われていますが、先代のマンボウは海響館で食べるのはイカとエビのミンチばかり。クラゲをあげても食べたことは一度もなかったそうです。ところが新しいマンボウは、試しにミズクラゲをあげてみたところ、すぐに寄ってきてパクパク食べたそうです。見間違いかと思って何度かクラゲをあげてみましたが全部完食。飼育担当者が3月、動画付きで報告しています 。
マンボウが自然界で何を食べているか知っていますか?続きは↓https://t.co/0s7VpQ9NjF#海響館#マンボウpic.twitter.com / dKTT3p8Sk3
ただし、このときの動画は水面からの動画だったため分かりにくかったのか思ったより「いいね」が付かなかったそうです。上司からも「水中の動画にしやんと~」と言われてしまい、「悔しいのでリベンジ」したとのこと。今回の動画は飼育担当者の努力の結果だったんですね !
「ここまでちゃんと食べるのは、現在飼育している個体だけです」と飼育担当者
BuzzFeed編集部は海響館の飼育担当者に取材。なぜ自然界ではクラゲを食べると言われているのに、飼育環境では珍しいのかなどを聞きました。――飼育下のマンボウがクラゲを食べるのは珍しいケースでしょうか?エビやイカなどの餌の方がマンボウにとっても美味しいようで、どうしても飼育期間が長くなると食べなくなってしまうことが多いです。海響館で飼育していた今までの個体(先代含む)にも何度かクラゲを与えてみましたが、ここまでちゃんと食べるのは、現在飼育している個体だけです 。
――今回のマンボウはどれくらいの割合でクラゲを食べてますか?イカとエビのミンチに配合飼料を加えたものをメインで給餌しています。1週間に数回水分補給を兼ねてクラゲをあたえています。――SNSでの反響をどのように感じていますか?みなさんにマンボウの面白い生態を知ってもらいたいと思って投稿した内容なので、いろいろな方に見ていただいたのがとてもうれしいです。見ている方に生き物の面白さを伝えられるようにもっと頑張りたいと思いました 。
「かなりヤバい映像なので、論文にしませんか????」マンボウ博士が呼びかける
今回、海響館が投稿した動画にマンボウ研究者も注目しています。鳥取県境港市にある「海とくらしの史料館」特任マンボウ研究員の澤井悦郎(さわい・えつろう)博士です。新種カクレマンボウの発見者の1人として知られており、「ウシマンボウ博士の研究ノート」をウェブ上で連載しています。澤井博士は5月27日、Xのアカウント(@manboumuseum)で「マンボウの捕食行動はほとんど動画としては撮影されていなくて、クラゲ類の生殖巣だけを食べるパターン、複数回齧りながら全部食べるパターンが確認されているが、丸ごと一気食いは初めてかも」と興奮した様子で投稿。「かなりヤバい映像なので、論文にしませんか????」と呼びかけました 。
フォロワー見ろフォロワー見ろフォロワー見ろ ! ! マンボウの捕食行動はほとんど動画としては撮影されていなくて、クラゲ類の生殖巣だけを食べるパターン、複数回齧りながら全部食べるパターンが確認されているが、丸ごと一気食いは初めてかも。かなりヤバい映像なので、論文にしませんか????https://t.co / NO5couEatF
澤井博士自身、マンボウがミズクラゲを複数回かじりながら全部食べるパターンを2021年に論文にまとめていましたが、「やっぱりクラゲ類を丸ごと一気に吸い込むこともするのか!非常に素晴らしく良い動画」と連続投稿で称賛しました。「水族館のマンボウはグルメになってクラゲ類に興味を示さなくなるがまだ野生が残っているな」と分析していました 。
マンボウがミズクラゲを複数回齧りながら全部食べるパターンは私が3年前に論文にしました。https://t.co / ReV6EyBB30やっぱりクラゲ類を丸ごと一気に吸い込むこともするのか!非常に素晴らしく良い動画。水族館のマンボウはグルメになってクラゲ類に興味を示さなくなるがまだ野生が残っているな
【 訂正】当初、「人間がこんにゃくゼリーをのみこむ様子」にたとえるSNSでの反響を紹介していましたが、過去にこんにゃくゼリーをそのままのみこむことによる窒息事故もあったことから該当部分を削除しました 。